大型製品組み立て治具軽量化
重量のある治具をフェルカーボで作成することで、大幅に重量を削減し、
女性でも安心して扱える治具を製作。安心して作業できる職場をつくりました。
概要
用途・効果
大型製品組み立て用の位置決め治具
両手で持たなければならない大型サイズの組立治具のパーツに
フェルカーボを採用することで、作業性UP、生産性UPを実現しました。
導入背景
解決すべき問題
生産現場で、女性が活躍できる機会が限られている
経緯
生産現場で働く女性が増えているため、活躍の場を増やしたい。
女性労働基準規則2条では、「成人女性が断続作業に携わる場合、一人で持てる重さは30kgまで」と定められていることに加え、重量物を落としてしまった場合に怪我につながる恐れがあることから、生産現場では安全面を考慮して、上記以上に規定を厳しくする企業が多くある。
作業治具を軽量化することで女性でも働ける現場を作っていきたい。
本事例の企業様では、社内規定として女性の金属製治具の取り扱い重量は10kgまでと決めており、大型製品の組み立て治具などの重量がある治具を扱う現場は、男性の方だけが働いていた。
軽量化のために樹脂で治具を製作すると強度が保てない。
FRP等で制作すると加工が難しくなる。
治具軽量化のために、作業現場で取り扱う治具を全て樹脂材料に置き換えることを目指したが、樹脂材料に変えるとどうしても強度が保てないことがわかっていた。また、強度のあるFRPで製作すると、強度・剛性はクリアできるものの加工が難しいことや、金額高くなってしまうこと、設計が難しい等いくつもの問題が出てきていた。
フェルカーボで解決!
重量が16kgのアルミで製作した位置決め治具をフェルカーボを用いて製作することで強度を保ったまま7.8kgの治具をつくることに成功しました。
導入メリット
導入効果
アルミと同等の強度でありながら、半分の比重であり、高精度加工も可能なフェルカーボに置き換えることで、作業性UP・女性が働ける生産現場を実現しました。
位置決め治具の軽量化
16.08kg → 7.81kg まで軽量化
3つの大きなメリットを獲得
治具の軽量化により、
●安全性向上 ●作業効率UP ●人件費の削減
を実現
技術士によるコメント
従来、会社の作業上の安全規則により男性しか扱えなかった重量の治具を、フェルカーボを使って軽量化し女性でも扱えるようにした事例です。重量物はその重さとモーメントによって身体の各部にさまざまな負荷がかかるだけでなく、作業のスピード、正確さ、繰り返し作業の回数と安定性を低下させます。さらにそれに加えて人間の集中力が重量物の扱いに消費されてしまうため、疲労しやすく、他のことに注意が回らなくなって事故・失敗の誘因となります。軽量化によりバリアフリーやジェンダフリーのソリューションとなるだけでなく、生産性向上、安全性向上にも寄与するフェルカーボを各方面にお勧めします。
日本技術士会 技術士
永野技術士事務所代表
永野 眞