製品取扱上の注意
切削加工を行う上での注意点
(1)本製品を切削加工すると導電性の粉塵が発生します。工作機械の電装系に付着すると故障する恐れがあります。切削加工を行う場合は、粉塵対応(吸塵・除電・電装系保護カバー)を施した装置で行ってください。また、粉塵マスクの着用を推奨いたします。
(2)本製品の加工により発生する粉塵には引火による爆発の恐れがあります。加工時は、集塵機等による加工屑の飛散防止対策を取って頂くようお願いいたします。また、火気の付近での加工や加工中の火気の使用はしないようにしてください。
(3)本製品の切削粉や切板を処分する際は、産業廃棄物として処理をお願いいたします。
(4)本製品は導電性がありますが、ワイヤーカット加工はできません。
(5)炭素繊維が硬い素材の為、超硬切削工具寿命は鋼材よりも短くなります(約1/2)。CBN工具以上を推奨いたします。
(6)切断や穴あけ等の加工には適切に選定した、切れ味の良い工具をご使用ください。切れ味が悪い工具の場合、穴あけ出口で材料の剥離が発生することがあります。材料の剥離を予防するには下穴をあけてエンドミル加工を行う、または材料両面からの穴あけなど材料の表面層に負担をかけない対応を推奨いたします。
(7)機械加工時に材料固定が不十分の場合、材料がチャックから外れて怪我をする場合がありますので、材料が変形しない程度にしっかりと固定してください。
(8)フライス目等の加工された痕跡の無いプレート表面は、樹脂のスキン層が存在いたします。ご使用前に機械加工で必ずスキン層を除去した後ご使用ください。スキン層を除去せずに加工された場合、出口での樹脂層クラック発生に繋がります。除去する厚みは1mm以上を推奨いたします。
製品の構成部品として導入される際のご注意
(1)本製品に含まれている炭素繊維は、輸出貿易管理令別表第一の1~15項の記載貨物に該当するものがあります。そのため、取扱い上適切な法的手続きを行なってください。
(2)フェルト状の炭素繊維を積層しているため、外観において繊維模様が局所的に強調される場合がございます。
(3)本製品は炭素繊維不織布を厚み方向に積層しているため、厚み方向に対して横方向からの荷重に弱くなります。外荷重は厚み方向と同方向に掛かるようにご使用ください。側面への加工を要する場合(タップ等)は0.5T 以下で締め付け願います。超えた場合、積層方向に対してクラックする場合がございます。また、側面へのタップ径は板厚の半分以下を推奨いたします。これを超えると積層方向のクラックが生じやすくなります。
(4)本製品の引張強度はアルミ(A5052)と同等以上ですが、引張弾性率(22Gpa)はアルミ(A5052)の約30%、鋼材(SS400)の約10%となるため、同一荷重を負荷した場合、金属素材より大きな歪が発生するため使用方法によっては先に破損に至るケースがございます。また、金属素材のように靭性(伸び)はございません。金属素材からの置き換えを検討される場合は、用途・特性値に合わせた設計をお願いいたします。
(5)本製品の疲労強度は、最大耐荷重の50% 程度となります。長期でご使用される場合は、疲労強度を超えない荷重でご使用ください。
(6)肉厚が局所的に薄い箇所に関しては、強度の保証または加工自体が困難となる場合がございますので、事前に弊社へご相談をお願いいたします。
(7)本製品は熱硬化樹脂を使用していますが、100度以下の使用を推奨しております。超える場合は必ずご相談ください。
(8)本製品は、摩擦などにより微量の粉塵が発生する恐れがございます。粉塵に対してリスクのある用途でご使用を検討される際は、塗装などで対策していただきますようお願いいたします。例:クリーンルーム 等
(9)記載しておりますデータは代表的な測定値であり、保証値ではありません。
(10)ご使用に際しては貴社のご使用条件(温度・薬品・荷重等)にて事前に十分な試験を行っていただき、貴社のご満足できる性能、効果の有無を必ずご確認ください。設計の際、強度計算等の理論のみに偏らず、加工等の経験的要素を含めた設計を考慮願います。
(11)本製品は、一般工業用途に使用することを想定して製造しております。食品関連・医療用途など体液・体内組織と接触する用途には、使用しないでください。また、体内に本製品の一部が残留する恐れのある用途には、絶対に使用しないでください。設備使用の場合は動線下における混入に注意してください。
(12)高い安全性や信頼性が必要とされる以下の用途(以下特定用途といいます)での使用はお控えください。お客様が特定用途に本製品を使用し、本製品の破壊、破損等の不具合によって人命や身体または財産等に損害を及ぼされた場合、弊社ではその責任を負いかねます。特定用途での使用を予定されている場合は必ず事前に弊社窓口までご相談ください。特定用途:航空・宇宙機器・輸送用機器・医療用機器・発電制御機器・原子力関係機器・軍事用機器・公共性の高い情報処理機器・電熱用品・燃焼機器・防災、防犯機器・各種安全装置、人が直接乗ることで怪我・人命に関わる部材(例:建築資材、足場・脚立等)
(13)安全面での配慮を必要とする用途へのご使用に際しては、貴社にてその安全性を事前にご試験、ご確認された上で必ずご使用ください。
(14)本製品の耐荷重を超えた状態で保管しますと、反りや変形が発生する恐れがございます。保管の際は、本製品に負荷がかかる状態での保管はお避け下さい。
(15)夏場などで本製品に直射日光に当てることや、高い温度・湿度域で搬送・保管することはお避けください。
(16)輸送の際に乱暴な取り扱いされた場合や連続で長期に渡りご使用された場合は本製品の表面にキズが発生する場合がございます。丁寧な取り扱いを心がけてください。
(17)本製品カタログの記載内容は性能向上の為断りなく変更することがあります。記載内容を転載する時には事前に弊社の承認を受けてください。
(18)本製品に使用する材料(炭素繊維・樹脂)は性能向上等の理由により断りなく変更する場合がございます。
(19)お客様のご都合により用途詳細を弊社に開示頂けない場合やプレートとしてご購入された場合(お客様自身で加工を行う場合)を含め、弊社がお客様のご使用用途を知り得ない場合は、お客様の使用用途への適合性について、弊社では一切保証しかねます。
その他
(1)樹脂成分は熱硬化性樹脂を使用しておりますので、熱可塑性樹脂のような熱プレス加工はできません。
(2)本製品をご購入される際は、必ずご用途などお伺いさせていただいております。お伺いしましたご用途以外でのご使用はお控えください。